john cage pour les oiseaux(ジョンケージ 小鳥たちのために)

かつて音楽は、まず人々の―特に作曲家の頭の中に存在すると考えられていた。音楽を書けば、聴覚を通して知覚される以前にそれを聞くことができると考えられていたんです。私は反対に、音が発せられる以前にはなにも聞こえないと考えています。ソルフェージュはまさに、音が発せられる以前に音を聞き取るようにする訓練なのです……。この訓練を受けると、人間は聾になるだけです。他のあれこれとかの音ではなく、決まったこの音あの音だけを受け入れられるよう訓練される。ソルフェージュを練習することは、まわりにある音は貧しいものだと先験的に決めてしまうことです。ですから〈具体音の〉ソルフェージュはありえない。あらゆるソルフェージュは必然的に、定義からして〈抽象的〉ですよ……。 (p.60上段)

この本ちょこちょこ読んでいる。
この部分は禿同すぎた
lucian,jenny savilleが好き(ベーコンは少し自分にとっては難しい、あの変形のさせ方は)
ただ具体と抽象というのも考えてみるとわからなくなる。ゴッホは具体的?ゴーギャンは?セザンヌは?ブラックは?
まあ人間であるうちは常に抽象化させようとしちゃうんだろうからそれに逆らいたくなる、というのもまた人間のサガ。