松井冬子展雑感

寒い最中行ってきた。
全体的にあまり好きではなかった。
あまりにも観念的過ぎる感じがした。題名や本人が書いたというキャプションもその印象に拍車をかけたのかもしれないけど。
ひとつの作品のうちに描かれているもの同士がよそよそしくも感じることも多かった。
でも「この疾患を治癒するために破壊する」だけは好きだった。どんな臓物を描いたものよりまがまがしく感じたよ。ずっとその前に痛くなってしまうような吸引力があるよ。これは千鳥が淵公園の池周辺の風景画です。作品内のモチーフそれぞれを写実的に描くということは大体すべての作品でしているのだろうが、全体をこんな風に描いたのはなかった。現実世界に立脚したおかげで頭でっかちさが緩和されたみたいな。でもなんであんな美人なのにこんなに頭でっかちなんだろう。ほかの作品は非常に抽象的な空間にアイコンが設置されているという感じでうめえとは思えどすげえとは思えなかった。この人にはこういう風景画をもっと描いて欲しいなと勝手に望む。
それにしても人のいない美術館はとてもよい。