2010-01-01から1年間の記事一覧

映画は映画だ

ほんものとまねっこ 本気と演技 やくざと俳優 心からのことばとセリフ 黒と白 などなど対立項が初めのうちははっきりとした境界線をもって提示される。 そして俳優に代表される方の項は世間の評価は(表面的には)高いが傲慢で空虚でにやけている。 一方やく…

チェイサー

最近tvでしか映画を見てない。 役者がいい。とくにきれいじゃないおやじがいい。 ダークヒーロー、アンチヒーローだけが本当に敵を捕まえることができる ダークなヒーローといってもギリシャ的なヒーローはそもそも今の価値観から言えば清濁併せもつというや…

島国根性

日本は他国との境界を海によって作っている島国です。そう頻繁には他人がこない。領土があまりにも自明なものに思われてくる。外部はあまり意識されない。内部はもはや住民に癒着して離れない。 とはいえというかだからこそ到来者は必ずしも明示的に排斥され…

ヴィヨンの妻

実は太宰さんはろくに読んだことがない。 電子辞書に入ってたので読んだ。薄気味の悪い小説。気になったからメモ 主要な人物は大谷とその奥さん、椿屋の夫妻。 まずこの人たちは下の名前がない。大谷の妻はさっちゃんとされるが、それは後の方にお店での名前…

超密室劇、ちょっとまとめ

密室劇はサスペンスやホラーでよく見られます。というかそれらが必然的に要求します。 あ、じゃあこれで失礼しまーす、ちーっす。みたいに洋館とかラクーンシティから出てっちゃうと終わる。 密室の主要な属性の軸として気密性がある。そのサブカテゴリーと…

毛糸のカービィの元も子もなさ

毛糸のカービィという新作が出るらしい。だいぶまえから決まっていたっぽいけど New Kirby's Epic Yarnというのが英語圏での名称らしい。 この名前はなかなか気が利いている。yarnは第一義に紡いだ糸だ。そこから旅行の(信用できない)土産話、作り話という…

われら地上の子、正義について語る

再放送のハーバード白熱教室大体ぜんぶ見た。 マイケル・サンデルは本当に良い先生だ。それに授業のテーマ、正義についての結論が授業形式にもかなっている。この自己言及性、熱いです。教科書を棒読みしてるだけのそこの君、ちょっと反省したまえ。 かれは…

KR-13、密室ゲームはどこまで続くか

killing room見た。邦題は実験室KR-13 この類はやはりesというのがあり、もう一方にはcube,sawがある。心理面重視とギミック重視ないし内部重視と外部重視の極があるといえるかもしれない。 KRの注目するべき設定はまず主人公ライリーが一番内側にいない点だ…

コジコジは(字義通り)神

日常系、他方の極に冒険系と布置されるのがはやり。 だけど日常系といってもいろいろある。サザエ、まるこ、ぼのぼの、けいおんそしてコジコジなどなど。 それぞれ強みはありますが、コジコジはなんだろうか。 面白さの源泉はコジコジ=神が同じフィールドに…

じろうかミッキー、スヌーピーか

そういえば外部への流出口は固有名なんだな柄谷とかでドゥールーズ的には関係あるようでないような話。 やっぱりコジコジは面白い。アニメ第一話。コジコジは先生に遊んでばかりでいないでしっかり勉強して立派なメルヘンものになれと職員室で説教される。そ…

ゲームはいかに見えなくなるか

見えないゲーム、暗黙のゲームは開かれた領域で行われている。当たり前だが見えるゲーム、明示的ゲーム、狭義のゲームは限定領域で行われる。 またサッカーを例にして考えてみよう。始まりには何か転がるものを身体を使ってどこかに転がしていくようなものが…

暗黙のゲーム

ゲームはサッカーや花札、格げーのようなルールが明文化されたものだけではない。映画や小説、絵画などにおいてはそれに参与していることにおおむね自覚的であることが多いが、ゲームの形式ないしゲームであるということの自覚は少なくなりがちな媒体である…

サマーウォーズ、ゲーム

物語とは主語と述語の間の引延しとたぶんバルトさんが言ってました。 引延し要素として二つのゲームがサマーウォーズにはありました。ゲームというのはその外部が見えると途端に熱が冷める。殊この場合は決して視聴者はプレイヤーでないから、たとえ外部を感…

ボンヤリ発言

ボンヤリ発言が引き起こされるのはその発話者に他者が存在しないから。自分のなかでは意識的にではないにせよインデックスができているから、発話が(他者にとっては)ぼんやりしてくる。 自分にとっての自分はハイパーハイコンテクスト状態である。これは硬…

態度

soil最後の三話くらいだけ見たんだよ。 面白い設定がちりばめられていました。モデルで構成されたスズシロ家、ミズキのあざ、デカミズキ。主題はパレードとだいたい同じ。 でも態度が悪いですよね。流れを弛緩させるコネタ。これは堤的な態度なのか。監督は…

語りえぬものについては、沈黙せねばならないの?

論理哲学論考読んで野矢茂樹の『論理哲学論考』を読むも一気に読んだぞー 論考のウィトゲンシュタインはクールです。野矢さんは基本的に丁寧で最終的にホットになります。論考でウィトゲンシュタインが最も間違っていたのはその態度なのだという指摘。素敵で…

レズ

the pacific 見た。 マリーンたちの話。導入部は短く戦場へ。 初交戦明けての二人の日本兵は印象的でした。とどめを刺した人も。 戦争もので替え歌って重要ですね。ところでハウルの続き。 これはすごく論理的な整合性があるものだとわかってきた。 お城=AT…

日常系は射精なきセックス

射精なきセックスをしているのが所謂日常系なのだと気づいた。 でも映画だときついんだよな。トムアンドジェリーも映画はそういった具合で無理やり何か無駄な話をつけた映画でダメだったらしい。ルーキーズの映画はその点自らの存在意義を理解し、全うしたと…

ハウルのダメなところ

ハウルをテレビで見たのだ。 ダメなとこは敵(障壁)が弱すぎるところ、これにすべて還元できる。 ソフィーがまず呪われるわけだ。ばあさんになる初めは少し戸惑うがその後はむしろ生き生きしだす。もちろんハウルのそばにいられるからというので理屈は通っ…